venvを利用すると、Python開発の仮想環境を手軽に作成することができる。
今回は、Azure Portal上で作成したLinux系のOS(Ubuntu)をもつ仮想マシン上で、venvによる仮想環境を作成してみたので、その手順を共有する。
前提条件
下記サイトの手順に従って、Linux系のOS(Ubuntu)をもつ仮想マシンにAnacondaをインストール済であること。
やってみたこと
仮想環境の作成
仮想環境の作成は、「python3 -m venv (仮想環境名)」コマンドで行える。その手順は、以下の通り。
1) Azure Portalを起動し、Linux系のOS(Ubuntu)をもつ仮想マシンにログインすると、以下のように、Anacondaの仮想環境(base)を起動した状態であることが確認できる。
2)「conda deactivate」コマンドを実行し、Anacondaの仮想環境(base)を停止する。
3)「python3 -m venv (仮想環境名)」コマンドを実行すると、以下のように、「python3.8-venv」をインストールするよう出力される。
4) apt installコマンドを利用して、「python3.8-venv」をインストールする。なお、インストールを継続するには、以下のように、Yを入力する。
5)「python3 -m venv (仮想環境名)」コマンドを再度実行すると、以下のように、指定した仮想環境が作成されたことが確認できる。
仮想環境の起動と停止
仮想環境の起動は「source (仮想環境名)/bin/activate」コマンドで、仮想環境の停止は「deactivate」コマンドで、それぞれ行える。その手順は、以下の通り。
1) 仮想環境外でPythonのバージョンを確認した結果は、以下の通り。
2)「source (仮想環境名)/bin/activate」コマンドを実行し、仮想環境を起動後、Pythonのバージョンを確認した結果は、以下の通り。
3)「deactivate」コマンドを実行すると、以下のように、起動中の仮想環境を停止できる。
仮想環境下でのパッケージインストール
仮想環境下のみで使用したいパッケージがある場合、仮想環境下でpipコマンドを実行すればよい。その手順は、以下の通り。
1) pipコマンドを利用するため、以下のように、仮想環境外でapt installコマンドを利用して、「python3-pip」をインストールする。
2)「pip -V」コマンドを利用して、インストールしたpipコマンドのバージョンを確認する。
3)「pip show (パッケージ名)」コマンドを利用すると、インストール済のバッケージを確認できる。下図の場合、requestsパッケージはインストール済で、numpyパッケージは未インストールとなる。
4) 仮想環境を起動し、numpyパッケージが未インストールであることを確認する。
5) 仮想環境でnumpyをインストール後、インストール済パッケージを確認した結果は、以下の通り。
6) 仮想環境を終了し、numpyがインストールされているか確認した結果は以下の通りで、仮想環境外ではnumpyが未インストールであることが確認できる。
要点まとめ
- venvを利用すると、Python開発の仮想環境を手軽に作成することができる。