Spring BootのWeb画面上で、ボタン押下時のサブミットを行う際、inputタグやbuttonタグにおいて、type属性にsubmitやbuttonを指定することができるが、IEで実行した際に、他のブラウザ(Edge, Chrome, Firefox)で実行した時と違う動きになる場合があるので、注意が必要である。
今回は、inputタグでtype属性にsubmit/buttonそれぞれを指定した場合、buttonタグでtype属性にsubmit/buttonそれぞれを指定した場合・何も指定しなかった場合それぞれについて、IE・Edge・Chrome・Firefoxでの動作を確認してみたので、共有する。
なお、buttonタグのtype属性はデフォルトでsubmitになるため、type属性にsubmitを指定した場合とtype属性に何も指定しなかった場合では、同じ動きになる。
前提条件
下記記事の実装が完了していること。
また、IEは11.789.19041.0、Edgeは94.0.992.38、Chromeは 94.0.4606.71、Firefoxは93.0のバージョンを、それぞれ利用するものとする。
サンプルプログラムの作成
作成したサンプルプログラムの構成は以下の通り。
なお、上記の赤枠は、前提条件のプログラムから追加・変更したプログラムである。
HTMLファイルの内容は以下の通りで、「demo.js」を読み込む前に、jQueryのライブラリ「jquery-3.4.1.min.js」を読み込むようにして、動作検証用のボタン1~5を配置している。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 | <!DOCTYPE html> <html lang="ja" xmlns:th="http://www.thymeleaf.org"> <head> <meta charset="UTF-8"> <!-- jQueryの読み込み --> <!-- demo.js内でjQueryを利用するため、jQueryをdemo.jsより先に読み込む --> <script type="text/javascript" th:src="@{/jquery-3.4.1.min.js}"></script> <script type="text/javascript" th:src="@{/demo.js}"></script> <title>index page</title> </head> <body> submitやbuttonの動作をブラウザ別に確認するための画面です。 <br/><br/> <form id="form1" method="post" th:action="@{/method1}"> <input type="submit" id="btn1" value="ボタン1(input type='submit')" onclick="testClick(this);" /> </form> <br/> <form id="form2" method="post" th:action="@{/method1}"> <input type="button" id="btn2" value="ボタン2(input type='button')" onclick="testClick(this);" /> </form> <br/> <form id="form3" method="post" th:action="@{/method1}"> <button id="btn3" onclick="testClick(this);"> ボタン3(button type=未設定) </button> </form> <br/> <form id="form4" method="post" th:action="@{/method1}"> <button id="btn4" type="submit" onclick="testClick(this);"> ボタン4(button type='submit') </button> </form> <br/> <form id="form5" method="post" th:action="@{/method1}"> <button id="btn5" type="button" onclick="testClick(this);"> ボタン5(button type='button') </button> </form> </body> </html> |
JSファイル(demo.js)の内容は以下の通りで、ボタン1~5が押下された場合のサブミット処理の定義と、ボタンが押下されたタイミングでサブミットするtestClick関数を用意している。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 | 'use strict'; $(document).ready(function(){ // ボタン1~5が押下された場合のサブミット処理を定義 $('#btn1').on('click', function(){ $('#form1').attr('action', '/method2'); $('#form1').submit(); }); $('#btn2').on('click', function(){ $('#form2').attr('action', '/method2'); $('#form2').submit(); }); $('#btn3').on('click', function(){ $('#form3').attr('action', '/method2'); $('#form3').submit(); }); $('#btn4').on('click', function(){ $('#form4').attr('action', '/method2'); $('#form4').submit(); }); $('#btn5').on('click', function(){ $('#form5').attr('action', '/method2'); $('#form5').submit(); }); }); // ボタンが押下されたタイミングでサブミットする function testClick(btn){ btn.form.submit(); } |
その他のソースコード内容は、以下のサイトを参照のこと。
https://github.com/purin-it/java/tree/master/spring-boot-input-button-submit/demo
サンプルプログラムの実行結果
各ブラウザ(IE, Edge, Chrome, Firefox)別にサンプルプログラムの実行結果は、以下の通り。
1) ボタン1を押下した結果は以下の通りで、IEで実行した場合は、th:action属性に設定したmethod1、demo.jsで設定したmethod2の順に実行されて、それ以外のブラウザの場合は、demo.jsで設定したmethod2のみ実行されることが確認できる。
2) ボタン2を押下した結果は以下の通りで、IEで実行した場合は、th:action属性に設定したmethod1、demo.jsで設定したmethod2の順に実行されて、それ以外のブラウザの場合は、demo.jsで設定したmethod2のみ実行されることが確認できる。
3) ボタン3を押下した結果は以下の通りで、IEで実行した場合は、th:action属性に設定したmethod1、demo.jsで設定したmethod2(2回)の順に実行されて、それ以外のブラウザの場合は、demo.jsで設定したmethod2のみ実行されることが確認できる。
4) ボタン4を押下した結果は以下の通りで、IEで実行した場合は、th:action属性に設定したmethod1、demo.jsで設定したmethod2(2回)の順に実行されて、それ以外のブラウザの場合は、demo.jsで設定したmethod2のみ実行されることが確認できる。
5) ボタン5を押下した結果は以下の通りで、IEで実行した場合は、th:action属性に設定したmethod1、demo.jsで設定したmethod2の順に実行されて、それ以外のブラウザの場合は、demo.jsで設定したmethod2のみ実行されることが確認できる。
要点まとめ
- Spring BootのWeb画面上で、ボタン押下時のサブミットを行う際、inputタグやbuttonタグにおいて、type属性にsubmitやbuttonを指定することができるが、IEで実行した際に、他のブラウザ(Edge, Chrome, Firefox)で実行した時と違う動きになる場合があるので、注意が必要である。